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月刊天文誌、2003年7月号に「新・星景写真宣言!!」という記事が掲載されている。「新」という文字が付くからには何か目新しいことでも記載してあるのかと期待して読めば、何て事のない内容。その記事に対し批判するつもりはもうとうないが、そこで写真について改めて再度考えてみるつもりで、ここにその文章の羅列なるものを掲載する。これらは私個人的な考えであり、私の写真に対する取り組み方である。 私の写真論 一般的な写真の良否、それは出来上がった写真に対する「期待」に対し、大いに関係する。年密な計画の元に作られた映像は、多くを語ってくれない写真が多いように思える。それらは己のイメージから脱皮できない写真、でしかない。つまりは完成された写真であるかもしれないが、写真に対する可能性として低いように思われる。天体写真に対し、これらの考え方がそのまま繋がるというわけではないが、私は同じような考えで、天体写真にも接していきたいと思っている。 星景写真 天体写真、大まかに2つに分けられる。天体対象物の拡大写真と広視野天体写真の2つである。まずここでは地上風景を入れた広視野天体写真について考えてみたいと思う。一般的に風景を取り入れた写真では固定写真となる。風光明媚な観光地、そこで神秘的な画像を狙うのも良いだろう。しかし私の場合、どのような場所でも構わない。そこにあるものを取り入れれば、そこでしか撮影できない写真を生み得ることができるからである。 ![]() この写真はH-MANBOU氏の写真である。これは小石原で撮影された写真であるが、この写真には、多くの物語が秘められているように思える。冬の夜、枯れ枝、あまり人の出入りがなさそうなこの場所、そして傾くオリオン座。たった1枚の写真であるが、月明かりに照らされた風景は、昼の世界とは異なった現実がここに広がっている。私の好きな写真である。技術的には何ら難しいことはない。カメラの焦点距離に対する露光時間と絞りの値を考えるだけである。できればこの写真ではもう少し長い露光時間の方が良かったのかもしれないが、冬の星座・オリオン座の形が解りづらくなってしまってはまた、別の写真になってしまう可能性がある。星の軌跡に関しては、先にステラナビゲーターなどで調べておくのが良いかと思われる。が、これは慣れてくればさほど問題ではない。それよりもこの風景と星空がどのような虚構の世界を繰り広げてくれるか、これも期待であり、偶然性でもあるかと考える。
写真をもう一枚。デジタルカメラでとらえられた満月の写真(TANAKAMARU氏撮影)。少し赤みを帯びた月が、西の空に沈もうとしているその瞬間を撮影されたものである。一見なんの変哲もない写真に見えるかも知れないが、ここにもまたドラマが広がっている。この写真を表紙写真としてアップした際には「トトロ」と表現を使ったが、撮影当時の様子とはひと味もふた味も違った雰囲気の写真に仕上がったのではないだろうか。これもまた、写真の面白さの一つだと思える。 ![]() この写真はお借りしたニコンのデジタルカメラ、D100に8mm魚眼レンズで撮影した写真である。わずか1分程の露光で、肉眼では見えない星までもが写し出されている。もっと条件の良い空の下、デジタルカメラの持つ感度の高さ(相反則不軌がないという利点)を生かせば、これまで合成写真に頼るしかなかったような写真を得ることができるのではないだろうか? 自分自身のオリジナル写真、天体写真という技術優先の写真では難しい事かも知れないが、既に見飽きてしまった雑誌などに掲載されている天体写真(もちろん中には面白いと思える写真も掲載されているが)から脱皮できないものだろうか? オリジナル優先、技術は後からついてくるものだと信じている私である。 |